スタァライトの推しと推しの話を聞いてくれ

少女☆歌劇レヴュースタァライトの西條クロディーヌと露崎まひるの話です。
頻度としては低いし、なんなら「この二人絡みあった?」なんて声もちょいちょい見かけるのですが、この二人の組み合わせが好きなんです。
クロちゃん、まひるちゃん、クロまひ、それぞれについてフリーダムに語るので長くなっちゃうんだけど……オタクの長話、聞いてくれる?
ありがとう。
それじゃ始めますね。

私はスタァライトに出会ってから今までずっと、西條クロディーヌさんが推しです。

あれはなんの前情報も入れずに「黒髪ロングでイメージカラー青の三森すずこって、絶賛μ’sロス真っ最中のオタクを狙い過ぎじゃない?」なんて思いながらもまんまと策略にハマり、興味本位で舞台#1を観た時。
開演前にパンフレットをパラパラめくりながら、連番した友達に「キャラデザで選ぶならクロディーヌかな〜。それか香子」と話していました。
でも、顔は好みだけどなんか高飛車お嬢様っぽいキャラだな、そういうキャラってあんまり好きにならないんだよな、なんだかんだひかりちゃん推しに落ち着くんだろうな、とぼんやり思いっていました。
西條クロディーヌさんのこと、キャラデザだけ見て『高飛車お嬢様』かなって思わない人いる?少数派じゃない?お紅茶片手に高笑いするツンデレ貴族に見えるじゃん。西園寺カノンじゃん。

それがどうでしょう。いざ幕が上がったら何?
「まひるもやっちゃいなよ」なんて言って、気の弱そうなオドオドした子を後押ししてあげてるし?
走駝先生のご褒美(ご褒美ではない)発言に対して「ご褒美?なになに?」なんて素直に喜んじゃって、先生の眼光を前にシュンとしちゃうし?
迷宮ゥ⤴︎のインパクトに全てを消しとばされたけど、スカしたお嬢様どころかめっちゃ正統派熱血舞台少女っぽいし?
レヴューで負けて倒れ込んでるまひるちゃんに駆け寄って回収してあげてるし?

あれ?この子はもしかして真っ直ぐに強くて、実は優しくてお茶目で可愛い子なのでは?
これはギャップ萌えってやつなのか?
相羽あいなさん可愛いな?
と、サブリミナルクロまひの侵蝕を無意識下で受けながら、西條クロディーヌさんの魅力に沈んだのです。
昨日のように覚えてる。

そして時を経てテレビアニメシリーズが放送開始。
This is 3話ですよ3話。
脚本家の樋口達人さんやトッピー監督が好きなあのセリフですよ。

双葉「弱気じゃねぇか、天才子役!」
クロ「成長したら、ただの人ってね!」

このセリフで完全に落とされました。
過去の栄光の上に胡座をかかない、縋らない、鼻にかけない。
なんてカッコよくていい女なんだ!?
体勢を崩しかけた双葉はんをサッと支えるのも良いんですよね。
別のシーンでは天堂真矢がリードする側のポジションでクロちゃんはその相手役だったけど、自主練ではリード側の練習をしているというのも良いんですよね。
勝ってやるぞという気概を感じて。

それからずっと、毎週毎週「西條クロディーヌ回はいつ!?」「こんなに焦らされるなんて、いったいどんな大役を!?」「早く西條クロディーヌさんのレヴューを見せて!!」「グッズの完売状況見てるとクロちゃんの人気が低いけど、お前ら後で手のひら返しすることになるんだぞ!見とけよ!西條クロディーヌさんを!」「セーヌ川に沈む準備しておいた方がいい?」
と、夜な夜な騒いでいました。
そして迎えた10話。レヴューデュエット。
すげ〜……なんやこれ……フランス映画でも見せられてるんか……?
真矢とクロディーヌはお互いを踏み切り台にして高く昇っていくんだなぁ、熱いなぁ、すごいなぁ、と呆気に取られたものです。

そこからまた時は流れ、舞台#2で天堂真矢さんが青春ムーブメントをしちゃうのに対して器の大きさを見せつけた西條・世界一いい女・クロディーヌさん。
からの、スタリラ配信開始。

スタリラはとにかくテキスト量が多い。色々な組み合わせの絡みも見られる。
すると、出てくるわけです、西條クロディーヌさんの面倒見が良くて優しい一面が。
でも、もちろんメインの組み合わせの絡みは安定してめちゃくちゃ多いです。当然天堂さんとの絡みが多くなります。重要なキャラなので。
スタリラはテキストのみで進行するので、真矢に噛み付くクロディーヌやマイペースを極めていて子供っぽいひかりみたいな、特に尖らせやすいキャラの特徴が強調される(と個人的に思っています)。初期なんかはベタなギャルゲー感強かったですしね。
その結果、ちょっと隠れちゃうんですよ、クロちゃんの優しくていい女な部分が。
二番手ポジションが前面に出ちゃって。

いや、クロちゃんて人との関係の中で輝くタイプのような気がするし、それに実際にあの世界を24時間365日観察したら、バチバチしてるクロちゃんの割合が一番高いからそう描かれているのかもしれないけど、クロちゃんの野心家でありながら優しくてチャーミングところが好きになるきっかけだったオタクだから、ちょっともどかしくなっちゃうんです。

すると、ぶり返してしまうんです。クロちゃん「の」レヴューが見たかったなという気持ちが。
誰かのサポート役でもなく、二番手という一番手ありきのポジションでもなく、西條クロディーヌという一人の人間がスポットライトを浴びる姿が見たいなという渇望が、じわじわ強くなっていきました。
でも、本人が”着いていける”次席である現状を受け入れて、それをバネに強くなれると言うのなら、
活躍させてあげて欲しいなと思うのはオタクのエゴでしかない、西條さんには不要な願望の押し付けだなと思い、大人しく応援していました。
一方で、追い求める姿こそ西條クロディーヌであり、そんなところが大事な役割であり魅力だよな、なんて思いもありました。矛盾してる、もうすっごい複雑なオタク心。

だからこそ、劇場版の魂のレヴューは驚きかつ最高だった。見たかったものが予想を遥かに上回る形で見られた。やっぱり野心バチバチのクロちゃんなんだよな。
「次席」「天堂真矢に”認められた”ライバル」
ではなく、対等で最強なライバルになれたんだな。
天堂真矢という迷宮から抜け出して、自分の舞台でキラめいたんだな。
一緒なら高みへ行ける翼だった二人が、落ちていく炎になるのも熱いな。お互いがお互いの、永遠に燃え尽きない燃料。本当はもともとそういう関係で、大きく変わったわけではないのかもしれないけど、真矢ちゃんがライバルであることを求めてくれたことで明確になり、複雑なオタク心は昇華されました。
はーーー、ありがとう劇場版スタァライト。痺れました。

と、ここまで散々クロちゃん単体のことを書き殴りましたが、露崎まひるちゃんは?

まひるちゃんはですね、正直に申し上げますと、長いことノーマークでした。
キャラデザ的に私が好きになるタイプの特徴は持っていないし、
傾向的にカッコいい系の女子が好きなので、穏やかで優しいまひるちゃんにはハマらないだらうなと思っていました。

でも、まひるちゃんって新しい展開が出る度に成長を見せてくるじゃないですか。
テレビアニメシリーズ5話で”ヤバさ”を見せつけたかと思ったら、あれは友達が取られるかもという不安や、スランプやホームシックで弱気になった気持ち(個人の解釈です)を華恋ちゃんにぶつけていた部分があっただけで(とは言いつつ多分ソッチの素養もあり過ぎるくらいあると思う)、それを脱したスッキリした顔、良かったな〜。

つづく#2では、まずプレコールが変わっている。そして柔らかい春の陽射しかと思われていたまひるちゃんが、真夏の灼熱の太陽のように一人の少女に火傷を負わせていたことが判明し、強い存在としての一面が見えてくる。
まひるちゃんはライブの度に口上も変わる。
オンライン舞台では天堂真矢と並んで主役を望み、
スタリラではついに、アルカナアルカディアで主役への執着を爆発させる。

そして劇場版。序盤の進路相談の
「みんなを笑顔にするスタァに、なります」
これだけで泣けるわ……まひるちゃんて、全ての媒体全ての展開の中で、一番ハッキリ進化してるんですよね(個人の感想です)。
ノーマークだった頃から、舞台やライブを観るといつも「推しの贔屓目を抜きにしたら、今回はまひるちゃんが良かったなー」ってなんだかんだ思わされていました。
気づかない内にじわじわ好きになっていたんですよね、真っ直ぐ飛躍的に進化していくまひるちゃんのこと。

で、ようやくクロまひの話です。

クロちゃんとまひるちゃんと言われて、ほとんどの人はテレビアニメシリーズ3話のセクシーBonjourを思い浮かべるでしょう。むしろそれしかわからんって人が多いみたいです。
でもそれだけじゃないんですよ。

クロちゃんの優しい一面に気付く時、まひるちゃんが近くにいることが多いんです。
舞台#1とか、スタリラとか。
特に2020年のまひるちゃんとばななの誕生日にクロちゃんが贈ったコメントが、すごく良いんですよ。

「いつもみんなのために頑張ってるけど、今日ぐらいは思い切り羽を伸ばしなさいね」
「今日くらいは写真を撮られる側に回りなさい」

自分より他人を優先しがちな人のことを気にかけてくれているんです。
や、優しい……いい女……頑張っている人のことをちゃんと見てくれていて、遠慮しにくいタイミングで労ってくるの、めちゃくちゃいい女……。

その他にも、まひるちゃんが座長をつとめるイベントストーリー「シンクロガールズ1950」では、張り切るまひるちゃんに何度か「座長」と声を掛けるんですけどね、これも良いなぁと思います。
クロちゃんがまひるちゃんのことを、素直に応援しているような気がして。

これが確信となったのは、舞台#3です。
まひるちゃんが新国立を目指したいと言った時、声を掛けたのは天堂真矢さんだったけれど、クロちゃんも笑顔でまひるちゃんを見て、自信が無さそうなことを言うと首を振って否定しようとしていたんです。

さらにさらに、なんと、クロちゃんがまひるちゃんのことを気にかけているというのは、相羽あいなさんの中では明確に存在している設定なのです。
本人が言っているのだから間違いない。
アーカイブもあるので、気になる人はアイバダービーの有料会員になって#29を見てください。
相羽あいなさんの個人的な解釈に基づくスタァライト講座が聞けます。
(ちなみに、舞台#1当時の岩田陽葵さんのブログを見ても、クロちゃんとまひるちゃんはよく一緒にいると書かれています。仲良し設定、あるな???)

クロまひって、クロちゃんの優しい一面が感じられる組み合わせなんです。ちょっとレアな姿が見られると嬉しくなる。だから好き。

じゃあまひるちゃんは?

もともと優しいまひるちゃんは、クロまひで優しいところが見えても別に珍しくないのでは?
いや安心してください、クロまひでは、まひるちゃんも普段とちょっと違う顔が見えるんです。
相手がしっかりもので安定感があっていい女な西條クロディーヌだから、まひるちゃんの世話焼き気質が出ても「お姉ちゃん」っぽさが薄くなるんです。

寝坊しがちな華恋ちゃんを起こしてあげるとか、家事が苦手なひかりちゃんを時に叱り時に優しく花嫁修行をつけてあげるとか、お姉ちゃんやママっぽさが強いまひるちゃん。
客演にやってきたいちえちゃんや、凛明館のみんなにプレゼントがしたいゆゆ子、ゆゆ子とはぐれて困っていた塁ちゃん、戦車の役作りに悩む栞ちゃんなど、他にもたくさんの子相手にお姉ちゃんパワーを発揮します。
クロちゃんに対しても、くるみ割り人形クロディーヌやツクヨミクロディーヌの絆ストーリーで、台本を持って来てくれる面倒見の良さを発揮します。
でもクロちゃん相手だと、なんとなく雰囲気が対等なんですよね。
お姉ちゃんでもままひるでもなく、17歳の優しい女の子なんです。
なんか、良くないですか?
まひるちゃんって、意外と口調がやんちゃなところがあるからか、クロちゃんが相手だとちょっと子供っぽく見えるんです。
可愛くないですか?

まひるちゃんに関してはこれだけではなくて、アルカナアルカディアで爆発した主役への執着心についても、私はクロまひを感じています。
正しいセリフはメインストーリーを見ていただくとして、要約すると、
「どんなに頑張っても2位で、それでも頑張り続けられたのは、1位という目標があるから。1位になれる嬉しさと1位になれない悔しさを知っているから、一番の意味と価値がわかる」
みたいな内容です。

まひるちゃんが主役を強く求める姿に、成長を感じてめちゃくちゃ熱いこの話。
二番だからこそ一番を、それこそばななに厳しい言葉を投げかけるほど激しく求める姿。
目の前に現れた目標を超えようと常に燃えているクロちゃんに似ていませんか?

これにも私なりの根拠がありまして、2020年のクロちゃんの誕生日にまひるちゃんが贈った言葉がそれっぽいんですよ。

「目標に向かってまっすぐ進む姿を後ろから……ううん、隣からずっと見てるからね!」

このセリフ、クロちゃんは一歩先にいる存在ではなく並び立つライバルだと宣言する熱いものですよね。
そして、目標に向かって進むクロちゃんをずっと見てる、つまりクロちゃんのギラギラバチバチで情熱的な姿勢を意識しているんです。
まひるちゃんが主役を目指して燃えるようになる中で、クロちゃんに共感して、影響を少なからず受けたのではないかな?と、このセリフから想像しています。

クロまひは、

・クロちゃんの優しい一面がよく見える
・まひるちゃんの年相応に可愛い一面がよく見える
・まひるちゃんの成長との関連性を感じる

そんなペアだと思うのです。クロちゃんの見た目や普段の言動に反して優しいところ、まひるちゃんの真っ直ぐ強く成長していく姿が好きなオタクとしては、クロまひを推さずにはいられないのです。
クロまひ、良いんですよ……まだまだ語りきれていないんですけど、良いんですよ……でもこれ以上は妄想の度合いが高くなっちゃうからやめておきますわね……。

私はね、最近よく考えるんです。

アニメではとにかく尺が足りないというスタァライトにおいて、平和で穏やかなクロちゃんとまひるちゃんの交流は入れる余裕が無かったんじゃないかなと。
華恋とひかりの物語、その裏で再演という特殊な役を担っていたばななの物語、それぞれの舞台少女の執着、それらの大きな話の流れに深く食い込まないから描かれなかっただけなんじゃないかなと。
劇場版で洗濯物を乾かしながら、しんみりした空気でなんとも言えない会話をしていた中には、進路や卒業を意識した時の寂しさや不安が隠れていたりするのかなと。
クロちゃんとまひるちゃんは、もしかしたら心の柔らかい部分を隠さずに見せられる相手同士なんじゃないかなと。
この二人は舞台創造科が思っている以上に仲が良いんじゃないかなと。
そう思うのです。

だって削りに削って作り上げた劇場版で、貴重な尺を二人だけで使っているんですよ?
あの二人があの会話をするって、ものすごく大事ってことですよね?
そこに込められた意味は私が思っているようなものなのか、もっと違う何かなのかはわからないけれど、重要ってことは事実ですよね?
もし私の考えが的外れだったとしても、二人が同じ何かを共有するキャラクター同士であることは確かですよね?
知りたいなーあのシーンの意図。
でも知るのはちょっと怖いような気もするなー。
あまりにも飢え渇き過ぎているから、ほんの一滴でも刺激が強過ぎてどうにかなってしまうかもしれない。
果たして私の疑問が晴れる日や飢えと渇きが満たされる日は来るのでしょうか。

いや後者は無理だな、無限に飢えて乾いちゃうから。


ここまで長々と語りましたが、私がクロまひにどハマりした決定的な一撃は、
名作&迷作揃いのスタリラのミニゲームの一つ
『西條クロディーヌの釣〜るどフランス』
でクロちゃんが人魚姫まひるを釣り上げるというとんでも設定なんですよね!
星4釣り人クロディーヌ!ください!!

スポンサーリンク
レタングル大
レタングル大

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする